辰巳芳子さんの「いのちを養う大豆」

グルメ雑誌danchu(プレジデント社刊)8月号は、「噂のカレー大図鑑」。カレーはもはや立派な国民食。ああ、食べたくなってきた。その巻頭特別企画は、料理研究家・辰巳芳子先生の「いのちを養う大豆」。その中に生産者として取り上げられたのが福士武造さんだ。地元の子供たちと一緒に田んぼに「ある工夫」をして、とてもよい大豆をつくっている。米と大豆を交互に作るには、なにはともあれ水の管理なのだ。田んぼはある期間水が保たれ、その後は水がすみやかに抜けてもらわなくてはならない。この矛盾することをやりとげる構造を自然の中でどう作るか?そのひとつが暗渠という方法なのだそうだが、福士式地下かんがい法は安価に地域の資材を使って農家自身ができるという画期的なやり方なんだそうだ。これを考えるきっかけは、地域の4割近い減反での農家の悲鳴にある。畑作に転換しても排水が悪いと土が荒れてしまい思うように作物がつくれない。このままだと日本に農業がなくなってしまうという危機感で夜も眠れないほど考えてしまったという。田畑転換ができれば経営が改善され、水田の水位が調節できれば自然農法で一番問題になる除草対策にもなる。各方面で注目され、視察も多いという。農地の土木的構造改良も重要なのだということも、薄らぼんやりだが理解できるようになった。福士さんを師と仰いで、青森に行っているのが、なにを隠そううちの息子だ。まず、福士さんの津軽弁を正確に訳すのが使命と言っているが、とりあえず、福士さんに学んで大豆を作り、納豆にして母に食べさせてね。

奥に見えるは天空の城ラピュ…じゃくて岩木山!前年田んぼで今年大豆の転換畑から。広さは3枚合わせて200m×100m。ここからだいたい5t〜6tの大豆が獲れます。だそうだ。