大豆の話から

newmoonakiko2008-12-10

大豆の自給率は、確か5パーセント。もしも、大豆の輸入が止まれば、毎日の食卓にかかせない「醤油」も「味噌」も使えないという理屈だ。大豆栽培には面積が必要であり、機械化が難しいということは、自分で作ってみるとよくわかる。広い土地と安価な労働力の地域に頼るというのが、経済としては当然なのだろう。原材料を安くしてどれだけ「醤油会社」や「味噌会社」が利益をあげたかわからないが、皮肉なことに「醤油」や「味噌」に代表される和食文化も風前の灯火になってしまった。

しかし、今日世界の飢餓人口は、日本の総人口の9倍の9億強、国別でいうと、インド、中国、コンゴと続くのだそうだ。食の安全安心というより、隣の国の餓死にしらんぷりしていていのだろうか?そもそも、食料自給率というのは、国産と輸入、ロスされたものを含む全供給カロリーをベースに換算される。日本の農産物輸入額は世界一位。廃棄する食料の量は年間2200万トンだ。この量は、世界の食糧支援の総量と同じだという。

今、政府は自給率向上予算に166億円をかけているが、輸入量を減らせば、総カロリー量の分母が減るのだから、簡単に自給率はあがるのだ。このお金はたぶん電通を筆頭にする広告代理店やJAにまわるのだろう。毎日新聞では、1面のかたすみに自給率をあげようキャンペーンが掲載されている。無駄とはいえないが、自給率が上がっても日本の農業がつぶれることもあり得る。その土地に生きる人間を養えるだけの食糧を自然は用意してくれているはずで、それを収穫という形にしてくれる生産者が大事にされる社会にならなくてはならない。

この大豆は、小田原なんくる農園のもの。大事に頂きます。