保田茂せんせ〜い

newmoonakiko2010-03-16

全国EM技術交流会九州大会の基調講演は、有機農業の権威であり産消連携運動に長年取り組む保田茂神戸大学名誉教授。いつもながらの名エンターテナーで今回も脱帽した。データを基に現状を確認し、将来の予測を共有化した。それは、私が考える以上に暗いものだったのだが、先生のすごいところは、こんな今だからこそ、何よりも大事にしなくてはいけないものは農業であり、この国の農業を守る消費行動をとる最後のチャンスなのだと、淡々としかも明確に伝えて下った。

「今朝は何を食べました?」
フランス人はフランスパン、ドイツ人はドイツパン、イギリス人はイギリスパン、それぞれの気候風土に適した穀物(麦)を使って焼いたパンを食べている。だからこそ、昔から続く麦畑の風景が守られているが、日本人はどうか。
「日本パンはありますか?」
「ご飯を食べていますか?」
パンを食べるとどこ国の畑が青々とし、どこの国の畑が雑草で覆われますか?

地域で取れたものを食べることが「農」を守り、安全な「食」を確保することにつながるのだ、と。

あなたの食べ物の選択が大変な未来へと繋がっていくのだよ。と穏やかに誰をも攻めることなく語られるので、ひとつひとつの言葉が素直にお腹の底に落ちた。こんな怖い話を笑いあえる人間は逞しいと思ったりもしたが。有機農業のゆの字もおしゃらずに、しかし、しっかりと未来の農業のあり方を示唆された先生に感銘を受けた。どこかで、先生の講演があったら、ぜひ伺って下さい。