森村桂の人生

newmoonakiko2006-12-16


不思議な存在・森村桂の夫が書いた、これまた不思議な本。三宅一郎著「桂よ。わが愛その死」。とあるところに置かれていて、小1時間で読んでしまった。デビュー作「天国にいちばん近い島」か、70年代の人気流行作家。私は、桂ワールドにはまることはなかった。が、常に少女であること。可愛い、きれい。成熟を拒否する世界。その世界を造ろうとした、いやその世界から抜け出ようとした作者の拒食症、自殺願望、そして壮絶な死までの記録を読む。母親と娘の軋轢とも読める。痛ましくもあるが理解できる。天使はお婆さんになれなかった。森村桂は、1935年生まれ。ちなみに桐島洋子は1937年生まれだ。戦後の女の生き様から読み解くこともできるのかも。桐島洋子の近著のタイトルは、「残り時間には福がある」だそうだ。